新聞などで、すでにご存知の方もいるかと思いますが、今年の7月、約40年ぶりに民法の相続法に関する大幅な改正がありました。
今日はその中でも、“遺言書”について簡単に説明します。
遺言書における今回の改正のポイントは2つです。
①財産目録をパソコンで作成することができるようになります
②遺言書を法務局で保管できるようになります
①財産目録をパソコンで作成することができるようになります
これまで遺言書(自筆証書遺言)は全文、日付、氏名を手書きし、押印することがルールで
した。
これが、“財産目録に関して”は、パソコンでの作成が可能になります。
財産目録とは遺言書に記載される財産の一覧票ことですが、以前はこれを全て手書きする
必要がありました。
そのため、非常に面倒な作業なうえに、書き間違えるといった問題が多く、遺言者と相続
人を悩ませておりました。
財産目録のパソコンでの作成に加え、不動産に関しては、登記簿謄本、預金に関しては通
帳のコピーを添付することができます。
ひとつここで気を付けてもらいたいのが、添付した書面には、すべての書面、そして全ペ
ージに“署名押印”をすることがルールとなっておりますので必ず“署名押印”を忘れずにお
願い致します。
②遺言書を法務局で保管できるようになります
これまでは自宅での保管が多かった遺言書ですが、法務局での保管が可能になります。
これにより、遺言書の紛失や隠匿を防ぐことができます。
保管時には、作成した遺言書が様式に従って作成されているかどうかのチェックもしてく
れるそうです。
また、当然ですが、遺言者は保管した遺言書を見ることもできますし、法務局での保管を
やめることもできます。
遺言者が亡くなった場合には、相続人が法務局に対して遺言書の有無を確認することがで
きるのですが、その際には、他の相続人にも通知がされるようになっており、相続人どう
しの公平性にも配慮した改正になっております。
また、これまでの遺言書(自筆証書遺言)では、相続手続きに移る前に、家庭裁判所で“検
認”という手続きを経なければならなかったのですが、法務局に保管する場合には検認が
不要になります。
検認とは、裁判所のホームページでは、以下のように記載されております。
~検認とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,
加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書
の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありませ
ん。~
検認は数週間かかる場合もありますので、すぐに相続手続きができないという不都合があ
りました。検認不要ですぐに相続手続きのできるこの改正は相続人に対する負担を軽減
してくれそうだと言えます。
保管手数料は、まだ、わかっておりませんが、比較的、安価だろうということです。
相続法に関しては、これから制度が整っていくことと思われますので、また新しい情報が入り次第お伝えしますね。
以上が、相続法改正のポイントになっておりますので、参考にしてみて下さい。
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